寺ネット・サンガ 事務局


仏教的断捨離4~寺ネットサンガ「坊コン」

2017-03-13


心の垢おとし~仏教的断捨離

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寺ネットサンガが主催する、色々な宗派のお坊さんと気軽に話が出来る場「坊コン」が2017年3月9日(木)に日本橋ウィズ・ビジネスセンターにて開催されました。



宗派に関係なく仏教について語り合うことができるとあって毎回人気の「坊コン」です。

本日のテーマは「心の垢おとし 仏教的断捨離」 “執着無くせば楽になる!執着なければつまらない?!あなたは何を捨てますか?”



お話しくださったのは、真言宗豊山派 円東寺(千葉県流山市)住職 増田俊康さん。最近はTV出演も多い増田さんは、バルーンアートやジャグリング、マジックを得意とするパフォーマーでもある楽しいお坊さんですが、一方で様々な社会活動にも真面目に取り組んでいらっしゃいます。

増田俊康さんのプチ法話

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まずは増田さんが手作りの紙芝居「108 ボンボンじいさん」を披露してくださいました。

ストーリーも絵もすべて増田さん自作のスペシャル紙芝居です。

さすが、大道芸を得意とする増田さんならではの語り口に会場は大笑いする場面も。



その紙芝居の話を踏まえて増田さんの断捨離談が始まりました。

「断捨離するものには、目に見えるモノと、目に見えないモノとがあります。

目に見えるモノは身の周りにある服や本など物理的なもの。目に見えないモノとは肩書であったり、心の中のものも入るでしょう。

それぞれ何を捨てるべきなのかは個々人にとってもわかりません。昨今はダイエットに関するもので溢れていますが、このダイエットの様に断捨離もなかなか終わりがないものだと思います。」

と言いながら増田さんが「四諦(したい)」という言葉を板書しました。





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四諦

仏教の真理である「四諦(したい)」とは、苦・集・滅・道(くじゅうめつどう)という四つのこと。諦とは「諦らか(あきらか)にする」ということ。「苦諦(くたい)」は苦しみの本質を諦らかにすること、「集諦(じったい)」はその苦しみの原因を諦らかにすること。「滅諦(滅諦)」はその苦しみを滅した状態を諦らかにすること。「道諦(どうたい)」はその苦しみが無くする具体的方法を諦らかにすること。

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「私達の心にはなかなか捨てられない思いというのがあります。さっさと捨ててしまえばいいのに、過去にあった嫌な思いを何度も何度も再生ボタンを押してしまったり、現在の苦しみだけでなく、未来の恐れを不安として抱えて生きていたりします。そういうものは本当は捨てたほうがいいのですが、なかなか捨てられないのですね。



では、なぜ捨てられないのか?

この四諦の中の「滅」である“苦しみを滅した状態”をきちんと理解しないから、苦しみが続いてしまうのではないかと思うのです。

断捨離というのはダイエットみたいなものです。ダイエットはあくまで方法なのです。方法は無くなりません。

ダイエットも断捨離も、最終的な目的がわからないままの状態で方法ばかりやっているから延々と続いてしまうのではないでしょうか。



断捨離というのは、モノを減らすことにどんな目的があるのかが明確にならない限り答えは出ないのだろうと思っています。目的がはっきりしてさえいれば、モノを捨てるのではなく、モノを増やしてもいいかもしれません。



自分がどういう状態であれば心穏やかにいられるのかということをしっかりと見極める=諦らかにすることがとても大事であり、それを決めた時がスタートになります。これが私の思っている仏教的断捨離です」



と増田さんは話を締めくくりました。









「四諦」という言葉はお坊さん達にとっては身近な言葉なのだそうですが、初めて聞いたという方の為に、さらに詳しく説明をしてくださいました。



ディスカッションの前でしたが「愛する人を亡くした人にお坊さんはどんなアドバイスをするのですか」という質問が飛び出し、参加されたお坊さん達がそれぞれの考えをお話しくださいました。

「とにかく話を聴く」「写経を勧める」「悲しみに寄り添う」など、お坊さん自身もどうすればいいのか試行錯誤しているのだなとお話を聞いていて感じました。



「対機説法(たいきせっぽう)」=立場や年齢などの機根を理解して相手にする説法。についての話も出たりと、とつとつと話をしてくださったお坊さんもいたり、お釈迦様のお話を交えて説明してくださったりと、みなさんそれぞれ真摯に答えていたのが印象に残りました。









お坊さんとディスカッション

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今日は「こんなお寺は嫌だ!」「こんなお坊さんは嫌だ!」と断捨離されないために!

というテーマで話をしました。お坊さんを目の前には話しづらいだろうとのことで、今回は初めてお坊さんチームと一般人チームとに分かれてのディスカッション。お坊さん方は宗派を超えての意見交換です。

あらかじめアンケート用紙に自分の意見を書く時間もあったので、ディスカッションも様々な意見が出ていました。



一般の方にとって、お寺はどうしても敷居の高そうなイメージがあるようです。門を閉ざしたお寺も多い都会のお寺には、近寄りがたい、入りにくいと思っている人も多くいるようです。





その他、子どものときからお寺が身近な場所としてあれば、もっと親しみが湧くのかもしれない。という意見や、いろいろな行事をしてくれるなど楽しいお寺がたくさんあるといい。

など、身近で社会的な存在であってほしいという意見も。セーフティーネットとして災害時の役割も期待されているお寺の今後に期待する意見も出ていました。



お坊さん側からの意見も、お寺側がもっと門戸を開いていくべき、地域に密着し、行事やイベントなどを開催して身近なお寺を目指したいなど一般の人と同意見も多く出ていました。



お坊さんについては、どうしても期待してしまいがちなので、理想とのギャップが出てしまう気がします。お葬式の時にしか会わないという意見もありましたが、お坊さんと話をする機会や場がなかなかないのが現状です。そういった中で”寺ネットサンガ”の「坊コン」は、気軽にお坊さんと話が出来る貴重な場なのだなと実感しました。







〇お坊さんと話しながら春の鎌倉を歩こう!

次回の寺ネットサンガは4月14日(金)の鎌倉への遠足です。春の陽気になり花々もきれいにい咲いているだろう鎌倉をお坊さんと一緒に歩いてみませんか?

定員数が20名なのでお申し込みはお早めに!




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