寺ネット・サンガ 事務局


仏教ひとまわりツアー 各宗派本山めぐり「川崎大師」

2014-07-01


仏教ひとまわりツアー 各宗派本山めぐり「川崎大師」

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2014年6月28日(土)梅雨空の中、寺ネット・サンガ主催「仏教ひとまわりツアー」が開催されました。

各宗派の大本山をめぐりながら、「修行僧の毎日」に焦点をあてたツアーです。

第2回目は、川崎の真言宗大本山「川崎大師平間寺」です。

真言宗智山派大本山「金剛山金乗院平間寺」は、広く「川崎大師」の名称で親しまれているお寺です。

お正月には約300万人の人が参拝に訪れるという「川崎大師」。

お護摩修行には、ツアー参加者の他にもたくさんの方々が参拝に訪れていました。

お護摩の修行時間は、川崎大師のホームページでご確認頂けます。



○お護摩の修行

護摩壇の周囲に、香華や五穀、お供物をお供えし、導師が中央の炉の中に護摩木(ごまぎ)を焚いて、ご本尊・厄除弘法大師さまのご供養にはじまる秘法です。

燃え上がる炎に不動明王の剣を象ったお護摩札をかざし、煩悩を焼き、浄化することで家内安全、災厄消除、所願成就を祈願します。

その際、お大師さまのご宝号である「南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)」とお唱えします。



「仏教ひとまわりツアー」参加者たちは、迫力あるお護摩の修行に圧倒されながら、ご本尊の弘法大師空海上人の御尊像に手を合わせました。

「修行僧の日々」

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「密教」として知られる真言宗。どんな修行が行なわれているのかと期待がふくらみます。



今回「修行僧の日々」についてお話を伺ったのは、京都東山の総本山智積院(ちしゃくいん)で修行を積まれた野沢隆規さんです。

大学に通いながら、夏期と冬期にお寺で修行した時のエピソードなど興味深いお話がありました。

京都の冬の厳しい寒さのことや、当時19歳の食べ盛りに食欲を抑えることが大変だった話などもありました。



○弘法大師空海上人の教え「即身成仏(そくしんじょうぶつ)」

「即身成仏=この身このまま仏になる」というのが空海上人の教えです。

本日は「身口意(しんくい)」について、わかりやすく解説して頂きました。「身口意」とは、身体と言葉と心が合わさった時に仏になるという教えです。

亡くなった場合に「成仏」と呼ぶこともありますが、空海上人は教えの中で、この世で仏になる生き方を説かれています。



例えば、ご飯を食べる時に手を合わせることも「身口意」のひとつだそうです。

手を合わせる「身」、「いただきます」と言葉にする「口」、食事に対する感謝の心を持つ「意」が揃えば、「身口意」の実践につながります。

気持ちよい挨拶を心がけていると、相手も同じように返してくれるなど、身近に「身口意」を実践する場面がたくさんあります。日常生活の中で、教えを実践していくことが大切だというお話がありました。

「そういう人たちが増えてくれば、平和で良い国になるでしょう?」というお坊さんのお話に、参加者たちは深く頷いていました。



お坊さんと一緒に「質問タイム」〜「彩色仏画」

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「何でも質問してください!」と元気よく切り出してくれたお坊さんに、参加者や他宗派のお坊さんからも次々と質問が出ました。



○お坊さんと一緒に質問タイム

Q. お護摩の時のご真言はどこの言葉? どんな内容?

A. インドのサンスクリット語です。翻訳によって少し違いがあります。

それぞれの仏さまのお名前をお唱えしています。



Q. 印相はご真言と関係ある?

A. あります。それぞれの仏さまの印相を結んでいます。

衣の中で見えないように結んでいます。



Q. 真言宗のそれぞれの派による違いは?

A. お経はだいたい同じです。

読み癖や地域によっても、少し違いがあります。



Q. 毎回お護摩の時間のたびに護摩壇をきれいにする?

A. 護摩壇は毎回きれいにしています。



Q. 護摩札をかざす意味は?

A. 仏さまの力をいただくと考えてください。

煩悩を消して、加持力をいただくという意味があります。



○彩色仏画

色鉛筆を使って彩色仏画に挑戦しました。

薬師瑠璃光如来さまを信仰する人々を守る武神「十二神将(じゅうにしんしょう)」の線画に彩色を施します。それぞれ自分の干支の武神さまの仏画を選び、丁寧に彩色しました。

最後に御祈願を横に書き入れ、完成した仏画を手に薬師殿に移動します。

薬師殿には御本尊の薬師瑠璃光如来さまが、その周囲には彩色した十二の武神さまの像がご本尊をお守りしています。お経をお唱えし、仏画を御奉納しました。



○まとめ

教科書にも載っていて、誰でも知っている弘法大師空海上人。実際にどんな教えが、どのように現在に受け継がれているのかという部分は、案外知られていないのではないでしょうか。

今回の「仏教ひとまわりツアー」では、ほんの一部分ではありますが、空海上人の教えにも触れることができました。

各宗派の大本山をめぐると、各宗派で共通している部分や、違いを肌で感じることができます。

見て、聞いて、体験して、もっと仏教について知りたくなるツアー内容となっています。



次回の「仏教ひとまわりツアー」は、2014年8月30日(土)浄土宗大本山「増上寺」です。

どなたでもご参加頂けますので、詳細は当ホームページからご確認ください。




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