「心のマッサージ」4~お坊さんとプチ座禅講座坐禅でちょっと気分を変えておうちに帰ろう!

坐禅でちょっと気分を変えておうちに帰ろう!

寺ネットサンガ主催の「心のマッサージ」会社帰りに仏教をプチ体験~が2017年10月17日(火)日本橋ルノアール貸会議室にて行われました。この講座は本格的な修行体験をするには時間がない方、気軽に仏教を体験したい方、会社帰りにモヤモヤとした気分を仏教ですっきりしたい方におすすめの講座です。


今回の講座は臨済宗建長寺派の藤尾聡允さんから「坐禅」をご指導して頂きます。
藤尾さんは、臨済宗建長寺派 独園寺住職
大本山建長寺の外国人英語坐禅会の指導役
ダライ・ラマ法王来日の際の通訳
自死・自殺に向き合う僧侶の会 共同代表
寺ネット・サンガ 事務局 他、様々なご活躍をなさっている禅の指導者です。

今日は「禅・マインドフルネス」と題して、法話とプチ坐禅体験。座禅に関してはベテランの藤尾さんから直接指導して頂けるとあって、いつもより男性受講者が多くいらっしゃいました。

マインドフルネスとは?
最近よく聞くけれど本来の意味は一体どんなものなのでしょう。

「心のマッサージ」4~お坊さんとプチ座禅講座仏教講座「禅・マインドフルネス」

仏教講座「禅・マインドフルネス」

マインドフルネス」=今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、判断せずに注意を払うこと。(評価をせず囚われのない状態でただ観ること)

Mindfulness means paying attention in a particular way, on purpose, in the present moment, and non-judgmentally.


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 最近よく聞く「マインドフルネス Mindfulness」は、もとは仏教の「八正道」(はっしょうどう)の中の”正念(しょうねん)”を、西欧文化の人々にもわかりやすいように英訳した際に使った言葉で、100年ほど前から使われていたのだそう。近年、日本で禅を学んだジョン・カバット・ジン氏が、医療手段としてマインドフルネス瞑想を推進させたことで注目が集まり、さらにそれが日本に逆輸入されてきたのだと藤尾さんが説明くださいました。

藤尾さんは年間1500人以上も座禅指導をしていらっしゃいます。そのうちの3分の1は外国の方だそう。マインドフルネスの流行により最近は海外からも坐禅に興味を持つ方が増えてきているとお話しくださいました。海外から来る座禅指導希望者の多くがグループで来るそうですが、なかでも医療関係者が多いのだそう。



〇椅子坐禅 「己事究明」(こじきゅうめい)Search Inside yourself

「最近はパソコンやスマホなどの影響か、巻き肩や猫背の人が多くみられます。こういった姿勢はどうしても肺を圧迫するので腹式呼吸が機能しなくなってしまいます。
背筋を伸ばしつつも肩の力を抜き全身を緩めることが大切です。これを『調身』といいます。
目は斜め45度辺りにして、自分の呼吸かお腹の動きに意識を集中させましょう」

藤尾さんの穏やかな声を聴きながら、照明を落として薄暗くなった部屋で心を整え、椅子に座った状態で坐禅を行っていきます。

次に『調息』、呼吸を整えていきます。

「調身がしっかりできると呼吸はより深くなります。普段は無意識にしている呼吸をあえて意識的にします。鼻からゆっくり吸って、口から細く長くゆっくりと吐いていきます。
足は肩幅くらいに開き、手は下腹につけるくらいにして、右手を左手の上にのせて法界定印にします」

そして「『調心』へ。

「調身と調息ができると心が整います。すると心の深いところに触れられます。そうすることで自力と他力のはざまに。それは意識が無意識の領域に入ることを意味します。これが、己事究明 Search Inside Yourself の状態です。心に生じている感覚や思考を眺めながら、深層の声を一つ聞いていきましょう」

藤尾さんが姿勢を見て回りながら一人ひとりの背中を正してくださいました。

「仏教では人は本来ネガティブであるとしています。不安、ネガティブだからこそ反省をしたり、発明ができたりするのです。でも、坐禅中にそういった負の想起が出て来てしまう時は、その思考を止めましょう。そのような思考があったことを一時は認めても、そのあとは考えないようにします(ラベリング)。評価をせずにありのままを感じるだけにして、何か思い浮かんでも、呼吸に意識を向けましょう」

藤尾さんのアドバイスに従いながら調心を尽くします。
今回は10分ほどの短い座禅を3段階に分けて行っていきました。3回目は自分の好きな場所を思い浮かべながらの坐禅です。心に生じている感覚や思考を眺めながら、その中で自分自身の心の声を聴いていきます。

短い時間でしたので、声が上手く届いた方と、そうでなかった方もいたようですが、概ね、みなさん自分へのアドバイスを受け取ったようでした。「安心していいんだよ」「疲れているから休んでね」といった声が聞こえたと発表してくださった方もいました。

※悪い姿勢で呼吸を整えないまま瞑想をすると、どんどんマイナスな思考に陥ってしまうことがあるので注意が必要とのこと。そのような状態にあるときに言葉で誘導する手法は、カルトの常とう手段(洗脳・催眠)なのだそうです。気を付けなければいけません。

「心のマッサージ」4~お坊さんとプチ座禅講座塗り絵写経

塗り絵写経

〇を筆で一気になぞっていきます。
心を落ち着けないと丸はなかなかうまく描けないそうです。〇を書いた後は色鉛筆で丸の中も塗っていきました。座禅の後なのでいつもより上手く描けたかも・・・不思議と無心になっている自分がいました。
短時間の坐禅タイムでしたが、終わった後はとてもスッキリとした気分です。
実際に坐禅をした際に心の声を聴いたことで、答えはいつも自分の心の中にあるのかもしれないと気が付きました。

悩んでしまったり、くよくよした時などには、姿勢を正して調息、調心をすることで、身体の中までもが整い、血圧にも良い影響を与えるそうです。
坐禅の健康への有効性が科学的にも証明されてきたことで、心理面の安定や健康向上といった目的で、ますます坐禅の良さが広がってきています。
今回、椅子での坐禅を指導して頂き、普段の生活にも坐禅タイムを取り入れてみたいと思いました。



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〇寺ネットサンガ主催「心のマッサージ」とは

仏教には現在、いくつもの宗派があります。
ところが、各宗派それぞれの修行や特徴を知りたいと思っていてもなかなか知るチャンスはありません。
寺ネットサンガでは、お坊さんと気軽に話せる場を提供していこうと「坊コン」を主催していますが、実際に各宗派の修行や考え方などがわかるような体験がしてみたい!というご意見の元、昨年末から「心のマッサージ」というプチ修行の講座を始めました。

寺ネットサンガのお坊さんたちからの「心のマッサージ」、気軽に体験できるプチ修行に是非いらしてみてください。きっと今までに会ったことのない仏教体験が出来ますよ!

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