かつてカルトにいた友のこと~寺ネット・サンガ~坊コン今年2回目の寺ネットサンガの「坊コン」が開催されました

今年2回目の寺ネットサンガの「坊コン」が開催されました

暑さが大分やわらぎ夕刻には虫の音が聞こえるようになりました。さて、今年二回目になる寺ネットサンガのリアル坊コンが2022年8月31(水)、日本橋の貸会議室にて開催されました。

今回、法話を担当してくださった方は、寺ネット・サンガ事務局の松本智量さん(浄土真宗本願寺派 延立寺住職)。今回はいわゆる“カルト”というカテゴリーに当たる宗教についてお話頂きました。
松本さんの個人的な体験談ということもあり、今回は詳しくはお伝え出来ませんが、松本さんご自身の想いをお伝えできればと思います。

かつてカルトにいた友のこと~寺ネット・サンガ~坊コン「かつてカルトにいた友のこと」松本智量さん

「かつてカルトにいた友のこと」松本智量さん

カルト”と呼ばれる集団は「反社会的なもの」とイメージされています。
カルト的なものを語るときに“洗脳“という言葉が付いてきます。
カルト教団に入った人は洗脳され、それを解くのは容易なことではありません。
松本さんの友人も、なんとかカルト教団からは抜けられたものの、その後も様々な問題に悩み続けているとのこと。

松本さんは、
カルトでは、仏教の『善因善果 悪因悪果』を持ち出して、原因はあなたが作ったものだと言う。
しかし浄土真宗には『信罪福心』(罪福を信ずる心をもつて本願力を願求す、これを自力の専心と名づくるなり)という教えがあります。善悪平等の救いを唱えた浄土真宗ならではの概念です。
敢えて答えは出さず、“迷うことの力“を認め、迷うことを良しとする。
何が正しいのか?は、自分で迷いながら答えを見つけられるようにすればいいと勧めるのです。

カルトに共通するのは世界公正仮説。これは陰謀論と結びつきやすく非常に差別的な考え方です。私が思うのは、カルトは過去も未来も否定してしてしまうので、カルトの中で本人は幸せかもしれないけれど、周囲の人達のことは幸せにしないのです。

では、なぜカルトに嵌ってしまうのでしょうか?
“正しさへの誘惑“という魅力がカルトにはある。明確にただ一つの答えを出してくれるので気持ちがいいんです。
しかし、そういう時こそ、”ブレることの出来る勇気“が必要なのです。”迷う力”が大切です。
そこに「希望」があるのが仏教の教えなのです。」
とおっしゃっていました。

かつてカルトにいた友のこと~寺ネット・サンガ~坊コン法話にまつわるテーマについてグループディスカッション

法話にまつわるテーマについてグループディスカッション

10分の休憩をはさみ、グループディスカッションになりました。
お坊さんがまとめ役となり、3つのグループにわかれました。
・最近のニュースなどで宗教が政治と結びつきがちというイメージになってしまった。
・理科系の人は筋道が立っていることを求める傾向があるのでカルトに行きやすいかも?!
・自分をコントロールすることが大事なのでは?
・バランス感覚を持っていることが大切。
・私達僧侶はマインドコントロールや洗脳ではなく「同調」を旨としている。信者の方々と同調していくことが大事。
・善悪の区別をつけるのってそもそも難しい。
・僧侶の側も考えさせられることが多いテーマでした。
などの意見を発表していました。



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