寺ネット・サンガ「坊コン」「お坊さんあるある!」 プチ法話「お坊さんあるある!」 寺ネット・サンガ 事務局 お坊さん あるある 寺ネット・サンガ
寺ネット・サンガ「坊コン」「お坊さんあるある!」
坊コン
2014-04-07
プチ法話「お坊さんあるある!」
2014年3月31日(月)、寺ネット・サンガ「坊コン」が行なわれました。
お坊さんたちが、思わず「あるある!」と頷いてしまうようなお話をお聞きしながら、お坊さんたちの日常を知るシリーズです。
今回「お坊さんあるある!」をお話いただいたのは、大田区池上、永寿院の吉田尚英住職です。
○「お坊さんが思わず合掌してしまった瞬間とは?」
吉田さんが思わず合掌してしまった瞬間を、9つの項目にまとめてお話いただきました。各項目にまつわるエピソードや、意外な出来事を語ってくださいました。
1、お布施を受け取るとき 2、偉い人に挨拶するとき 3、食事をするとき 4、願い事をするとき
5、子は親の鏡 6、神社や教会で 7、逃げたいとき 8、被災地で 9、相手の仏が見えたとき
5の「子は親の鏡」では、こんなエピソードがあったそうです。
吉田さんがお子さんが小さいころお堂の前でお参りした時のこと。片手はお子さんと手をつないでいたため、片手で合掌のような形をとることもありました。後日、お子さんが片手をあげて合掌の所作をしているのを見て、子は親の鏡だなと感じ、合掌は形だけではいけないなと反省したそうです。
6の「神社や教会で」の項目では、神さまに合掌? と不思議な気もします。宗派によって違いがあるそうですが、吉田さんは神社や教会など、どこへ行っても仏教の信仰する人を守る神様(守護神)として合掌するいるそうです。
7、8の項目に関して、つらいことや悲しいことに直面した時、追いつめられた時も思わず合掌してしまいます。亡き人への想いであったり、真剣に命に向き合う姿があります。
○合掌とは?
『合掌の物語』エピソード募集のリーフレットが配られました。リーフレットには、『法華経』の「常不軽菩薩品(じょうふきょうぼさっぽん)第二十」について書かれています。
「不軽」という文字には、他者を軽んじないという意味が込められてます。
相手を敬い、他者の中に仏さまを見い出して、仏さまによって生かされている「いのち」に合掌をすることが基本とあります。
「相手とわかり合おう、分かち合おうという気持ちで合掌することで、自分の中の仏さまが磨かれます」と吉田さんはむすびました。
思わず合掌する瞬間とは?
「思わず合掌する(した)瞬間」を、各グループに分かれてディスカッションします。ディスカッションの内容を、各グループのお坊さんたちが代表して発表しました。
・食事の前の「いただきます」や、願い事をする時など、いろいろな「合掌」がある。
・合掌や「ありがとう」と言うなど、行動で示すことによって自分自身が素直な心になれる。
・「手を合わす」というより「手が合わさる」という感覚。
・合掌をしたことがない。
・合掌するときに目を閉じるのはなぜ?
・合掌しながら「一生のお願い」と友人に頼まれた時、力が湧いてきて成し遂げることができた。
・食事の時、家族やみんなで食事をする時には合掌をしないが、一人で食事をする時には合掌をする。自分でも今気がついて不思議に思う。
・一日の終わりに合掌しながら感謝する。一日の良い事が思い出されて、良い気持ちで一日を終えることができる。
盛り上がったのは、一人で食事する時に限って合掌するという参加者の意見です。同時に、自分で料理した時には合掌しないけれど、作ってもらった時には合掌するという意見もありました。
他の参加者たちや、お坊さんたちからも様々な解釈が出ました。
最終的に、一人の時は目の前の食事と対峙するので、食べ物への感謝の気持ちを感じやすいのではないかというお話でした。
合掌についてお坊さんに質問
お坊さんへの質問タイムでは「合掌と祈りの違い」や、「合掌しながらご利益を願うことは、お寺ではどういう解釈なのか」など、深い話になりました。
お寺で言うご利益とは「願い事が叶う」ではなく、「仏になること」というお坊さんのお答えに、参加者たちからは「そうだったのか」と驚きの声も出ました。
「合掌と祈りの違い」に関しては様々な解釈があるそうですが、どちらも「心の中からの発露」が行動となって現れることであり、それぞれの表現のあり方ではないでしょうかと、お坊さんからお答えいただきました。
○まとめ
「合掌」に込められた意味や、「合掌」にまつわるエピソードがこんなにたくさんあるとは驚きです。命の大切さを真剣に考えることによって、合掌の本来の姿がみえてくるかもしれません、というお坊さんからのメッセージもございました。
思わず合掌をする時、きっと私たちは何かを感じて手を合わせていると思います。合掌をする時、自分の中にどういう感情が芽生えているのかを考える機会にもなりました。
○お知らせ
『合掌の物語』――合掌するのはどんな時? エピソード・写真募集
期間は2014年4月1日から2015年3月31日まで。この機会に「合掌」について思い出すこと、感じたことなどを、形にしてみるのも良いかもしれません。
詳細はHP をごらんください→http://www.tokyonanbushumusho.com/events/gashoepisode/
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