寺ネット・サンガ「坊コン」「お盆について」プチ法話

プチ法話

今回のネット・サンガ「坊コン」はお盆についてです。

東京駅からほど近い会場に集まった約30名の参加者。参加者の10名ほどがお坊さんということで、お坊さん密度の濃い会合です。



○プチ法話

まず、真言宗密蔵院 名取芳彦ご住職より「プチ法話」をお聞きしました。

名取ご住職の噺家のような面白い語り口に、思わず身を乗り出して聞き入ってしまします。特に犬の「はやたろう」が「ワンッ!」と吠える場面など、大迫力でした。



静岡県磐田市見付にある矢奈比賣(やなひめ)神社に伝わるお話で、「はやたろう」という勇敢な犬の物語。

人間の子どもを喰べるという恐ろしい白いヒヒたちがおりました。彼らが恐れるのは信州の光前で飼われている犬「はやたろう」。
「はやたろう」は静岡の矢奈比賣神社で白いヒヒたちと格闘し、白いヒヒに勝利したものの傷を負ってしまいます。やがて「はやたろう」は亡くなってしまいました。

現在も矢奈比賣神社と光前には「はやたろう」伝説が伝わっています。


お盆について グループごとに話し合う

本題「お盆について」各テーブルで話し合い、お坊さんが代表になって意見をまとめて発表します。


・お坊さんはお盆時期は大変

・お墓参りというイメージ

・地方独特のお盆の風習について

・最近お坊さんが家を回りきれないらしい?

お盆でなくても、日常的にご先祖さまに感謝する場があるといい



お盆の時期、お坊さんはとにかく忙しく、精神的・体力的に大変らしいです。お坊さんも疲れることもあるのですね、と驚いてしまいました。

参加した一般の方も、多くはお盆を大切に過ごしている様子で、自分の地域の風習について熱心に語り合う姿も見られました。
お盆の時期が異なったり形式が違っていても、亡くなられた方やご先祖さまに対する想いはみんな同じなのですね。

お盆とは?

お坊さんから、お盆の風習や由来についてお話していただきました。



亡くなった人間の魂は山の神となり、正月と中元の二回、下界に戻ってきます。東南アジアでは年に二回、魂が戻るという考え方があるそうです。
お正月は神さまとして、中元には亡くなった故人の個性を持った魂として帰ってきます。
『盂蘭盆経』の中で、目蓮が地獄で吊るされた母親を助けるために、夏安居(げあんこ)の終わる7月15日に、僧を供養するように言われたという話があり、これら二つの事柄が合体して現在のお盆といわれる風習になったそう。

「本当はお坊さんがご馳走される行事なんだけどなぁ」とお坊さんは笑っていました。



その後、こんなお盆の過ごし方があります、という地域独特の話題で盛り上がり、現在におけるお盆の風習、特にお坊さんの位置について様々な意見が出ました。
棚経をやめてしまうおもあるそうです。
一方で、お盆にお坊さんに来てもらわなければ気がすまないという人もいるようで、各家庭の事情に合わせて、お坊さんの方もいろいろと苦慮なさっているようです。
最後に、新盆の際に、自分が何を食べたいのか家族にしっかり伝えておくと、お盆の際に準備もスムーズ、また昔語りの良い機会になるというお話でした。

○まとめ


自分がお盆で「迎えられる側」になること。これは確実なことでありながら、ほとんど考えたこともなかったので、これを機に家族と話し合ってみようと思いました。
あるお坊さんはエクレアにするとおっしゃって、みなさん大笑いのうちに本日の坊コンは終了。
懇親会では少し上機嫌なお坊さんたちと楽しい時間を過ごしました。


寺ネット・サンガ「坊コン」「お盆について」

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